経験から生み出す井本精機のエラストマー金型
2024.01.17
皆さまから寄せられるご要望に日々、最善を尽くしてお応えする井本精機です。
ご要望に向き合う中で井本精機では、ゴム金型・シリコーン金型のほかに、エラストマー金型の製作もお受けする機会が増えてきました。
まだまだ知られていないエラストマー金型について、お話したいと思います。
注目されるリサイクル可能なエラストマー素材
エラストマー( Elastmers)とは、「elastic(弾力がある)」+「polymer(重合体)」を組み合わせた造語で、ゴムのように伸縮性と弾性をもつものの総称で、大きく2つのタイプがあります。
まず1つ目が一般的に私たちが「ゴム」と呼んでいるもので、熱を加えても柔らかくならない耐熱性の高い【熱硬化性エラストマー(Thermosetting Elastmers)】。
そしてもうひとつは反対に、熱を加えることで軟化して柔らかくなり、冷やすとゴム状に戻るという性質を持つ【熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastmers/TPE)】です。
中でも注目なのが「熱可塑性エラストマー」。省エネや省資源製品が求められる近年では、合成ゴム製品に代わるリサイクル性・生産性に優れていて、かつゴムのような伸縮性や弾性をもつエラストマー製品の需要が高まっており、注目される理由となっております。
ゴム製品とエラストマーの比較
熱硬化性エラストマー Thermosetting Elastmers |
熱可塑性エラストマー Thermoplastic Elastmers / TPE |
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加熱時の特性 | ・熱で硬化 ・高温の場合でも変形しにくい |
・常温時はゴム特性の弾性あり ・熱が加わることで軟化 |
重量 | ・熱可塑性エラストマー(TPE)と比較すると重量あり | ・熱硬化性エラストマー(ゴム)と比較すると軽量 |
リサイクル | ・不可 | ・可能 |
ゴム金型のノウハウを活かしてエラストマー金型に挑む
エラストマーの特徴をお伝えしてきましたが、もしかしたら気づいた方も多いかもしれませんね。
そうなんです。特徴の面から捉えた熱可塑性エラストマーは、熱を加えると溶けて冷やすと固まる「プラスチック」の特徴と、伸縮性のある「ゴムの特徴」を兼ね備えた素材なのです。
それはまさに、井本精機が得意分野。
伸縮性・弾力性を利用して脱型させるゴム金型屋の発想と、長年のゴム金型で培ったノウハウと経験で、アンダーカットのような複雑な形状にもお応えできるエラストマー金型製作をご提供いたします。
アンダーカットのある製品をお考えの方はご相談ください
・ジャバラ ・ブーツ ・ホース など
ゴム金型の視点で熱可塑性エラストマーの特徴を交えてお伝えしてきましたが、ほかにも、耐熱老化性や耐薬品性、安全性、低臭気性など、優れた点の多い素材ですので、今後も電子機器や雑貨、医療用部品など、様々な分野や用途で選ばれることが予想されます。
エラストマー金型を検討するにも不安なことやわからないことが多いと思いますので、困ったときにはいつでも、井本精機にご相談ください!